日進市で教職員向け「子どもの権利擁護研修」を実施しました

対話を通して考える「子どもの最善の利益」と意見表明・参加

2026年8月18日に日進西中学校、8月20日に日進東中学校で、「令和8年度 日進市子どもの権利擁護委員による教職員向け研修会」を実施しました。ハピ声スマイル研究室の研究・実践をもとに、子どもの権利擁護委員として、両校の教職員の皆さまと子どもの声を聴き、参加を支える学校づくりについて考えました。

子どもの声を聴き、ともに考える

研修では、子どもの権利と最善の利益、意見表明・意思形成・意思決定への参加、アドボカシーを取り上げました。アドボカシーとは、本人の思いや意思を尊重し、その声が聴かれ、必要な支援につながるように支える関わりです。

大人が「子どものため」と考えることが、本人の思いや選択肢と重なっているか。意見を聞いた後、その意見をどう受け止め、結果や理由をどう説明するか。こうした問いを、日常の学校生活と結びつけて考えました。

アニメやHVSIの観察体験も用いながら、言葉だけでなく、表情・声・沈黙にも目を向けました。そこから想像した気持ちを決めつけず、本人に確かめ、安心して意見を表明できる関係や環境につなげることを大切にしました。

ワールドカフェで、異なる視点を持ち寄る

模造紙を囲んでグループ対話に取り組む教職員(参加者の顔はプライバシー保護のため加工)
ワールドカフェ型の対話の様子。参加者のプライバシーに配慮し、画像を加工しています。

講義に加え、少人数でテーマについて語り合い、テーブルを移りながら異なる視点を持ち寄るワールドカフェ型の対話を取り入れました。子どもの権利を日常の中でどう伝えるか、学級・生徒会・行事への参加、校則や日常の関わりの見直し、少数意見の尊重などについて、教職員同士で考えを交わしました。

アンケートでは、普段話す機会の少ない教職員の考えに触れ、自分の実践を振り返る機会になったとの声が寄せられました。日進東中学校では、模造紙に皆で書くことで一体感が生まれたことや、授業にも対話の方法を取り入れたいという意見がありました。

アンケートに見られた気づきと、実践への一歩

両校の自由記述には、子どもの最善の利益や、意見表明・参加を改めて考える回答が見られました。日進西中学校では、大人の「あなたのため」という思いが、子どもの選択肢を狭めていないかという問いや、意見を聞くだけで終わらせず、結果への反映・説明まで含めて参加を支えることが印象に残ったとされています。

二学期以降に取り組みたいこととして、次のような意見が挙がりました。

  • 子どもが意見を言っても否定されない雰囲気をつくる。
  • 少数意見や、言葉にしにくい思いも大切にする。
  • 子どもの権利を、授業や日常の会話で継続して伝える。
  • 表情や声の変化に目を向け、本人の気持ちを丁寧に聴く。
  • 決めた結果や理由を説明し、子どもと一緒に振り返る。

これらは研修後に寄せられた実践への意向であり、今後の学校生活で学びをどう生かしていくかにつながる大切な手がかりです。

HVSIを、気づきと対話の入口に

HVSIの資料を投影し、マイクで説明する講師
HVSIを、子どもの変化への気づきと対話につなげる視点を紹介しました。

HVSI(ハピ声スマイル指数)の体験では、笑顔や声などの表れに目を向け、本人の小さな変化に気づく視点を共有しました。この研修でのHVSIは、観察を本人への確認や支援の振り返りにつなげる、実践的な入口として位置づけています。

アンケートには、これまで見過ごしていた表情や発声に注目したいという関心が寄せられました。一方で、観察する側の主観、個人差、基準の分かりにくさ、数値化への抵抗感も示されました。笑顔や発声が少なくても安心して過ごしている場合があり、静かに感じる幸せも尊重したいという指摘を、研究・研修改善の大切な課題として受け止めています。

表情や声だけで気持ちを決めつけたり、「高得点だから良い状態」と結論づけたりせず、その子なりの表現と場面の背景を捉え、本人の声を丁寧に聴くことを重視していきます。

日進市との協働を、教育・福祉の実践へ

日進市との協働と子どもの権利擁護委員としての活動を通して得られた気づきを、今後の研修設計や教材、HVSIの研究・改善に生かしていきます。ハピ声スマイル研究室は、教育・福祉の現場の皆さまと対話を重ね、子どもが安心して自分の思いを表し、その声が大切にされる環境づくりに取り組みます。

ご参加くださった両校の教職員の皆さま、日進市の関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

※アンケートの紹介は、両校の自由記述を個人が特定されないよう要約したものです。