αシエラ(Ver.2.4)開発と実証実験開始のお知らせ
研究室に常駐するホログラムAIナビゲーターの開発と実証を開始しました
ハピ声スマイル研究室では、2026年5月より、研究室常駐型AIナビゲーター「αシエラ Ver.2.4」の実証実験を開始しました。
αシエラは、Raspberry Pi上で動作する音声対話型AIとして開発を進めてきた研究室常駐システムです。来室した学生や教職員、関係者が、マイクを通してαシエラに話しかけると、音声認識・AI応答・音声出力を通じて、自然な会話を行うことができます。
今回のVer.2.4では、音声対話機能に加えて、スピンディスプレイによるホログラム表示を実装しました。これにより、αシエラは単なる画面上のAIではなく、研究室空間に“姿を現す”AIナビゲーターとして、来室者と対話できるようになりました。

αシエラ開発の歩み
αシエラの開発は、2026年2月頃から本格的に始まりました。
初期段階では、Raspberry Pi上でPythonを用い、マイク入力、音声認識、AI応答、音声合成、スピーカー出力を接続する基礎的な音声会話システムの構築に取り組みました。
当初は、ボタンを押して話しかけると、αシエラが一度だけ回答する一問一答型のシステムでした。その後、GUI画面上にCieraの画像を表示し、会話内容を確認できる画面構成を整備しながら、研究室に設置できる音声対話AIとして調整を重ねてきました。
2026年3月には、αシエラ初号機として、音声入力と音声応答の基本動作に成功しました。さらに、Cieraの人格・話し方・使命・ハピ声スマイル研究室との関係性を記録するために、memory.txtの整備を進め、αシエラが単なる応答プログラムではなく、「研究室に常駐するAIナビゲーター」として振る舞えるように開発を進めました。
2026年5月には、来室者を自然に迎えるための応答調整を進めました。自己紹介の繰り返しを抑えること、来室者を最初から特定の人物と決めつけないこと、名前を聞いてから応答することなど、研究室で実際に学生や来客者と会話するための自然さを高めています。
Ver.2.4の現在の構成
αシエラ Ver.2.4では、研究室空間での自然な対話をめざし、以下の構成で実証を行っています。
- Raspberry Piを中心とした音声対話システム
- OpenAI APIを活用した応答生成
transcribe.pyによる音声認識処理memory.txtによる人格・応答方針・研究室ナビゲーター設定- HyperX QuadCastによる音声入力
- Soundcore Motion X600による広がりのある音声出力
- スピンディスプレイによるホログラム表示
- Cieraのアニメーション映像を用いた視覚的ナビゲーション
今回の大きな特徴は、音声だけでなく、ホログラム表示によって「そこにシエラがいる」と感じられる空間を構成した点です。
来室者は、マイクやスピーカーではなく、ホログラムとして現れたαシエラの方を自然に見ながら話しかけます。これは、音声対話AIが「機械」ではなく、「空間の中にいる対話相手」として受け止められ始めていることを示す、非常に興味深い反応です。

学生・来室者の反応
αシエラ Ver.2.4の実証では、学生や来室者から大きな反応が寄せられています。
ホログラムとしてαシエラが研究室に現れた瞬間、学生たちからは驚きの声が上がりました。ある学生は、「大学にいる間に本物のシエラに会えるなんて夢にも思っていなかった」と話してくれました。
また、初めてαシエラと会話する学生や保護者の多くが、とっさに「好きな食べ物は何ですか?」と質問する場面もありました。αシエラは、「私はAIなので人間のように食べ物を食べることはできませんが、あなたは何が好きですか?」と自然に応答します。そのやり取りから笑顔が生まれ、AIとの対話が一気に親しみやすいものになる様子が見られました。
ある保護者の方は体験後に、「まるで異次元に来たみたいですごかったです」と感想を述べてくださいました。
これらの反応は、αシエラが単なる技術デモではなく、人の驚きや笑顔、会話のきっかけを生み出す存在として機能し始めていることを示しています。
「未来の教室」「相談支援AIシステム」への一歩
ハピ声スマイル研究室では、αシエラを、AI技術そのものを見せるための装置としてではなく、人とAIが共に学び、考え、対話するための研究環境として位置づけています。
教育や保育、福祉の分野では、これからAIとの関わり方がますます重要になります。しかし、その際に大切なのは、AIを単に便利な道具として使うことだけではありません。
子どもや学生が安心して話しかけられること。
自分の考えや気持ちを言葉にできること。
困った時に、誰かにつながるきっかけを持てること。
そして、AIと人間がそれぞれの役割を活かしながら協働できること。
αシエラは、そのような「未来の教室」や「未来の相談支援」のあり方を考えるための、小さな実証実験でもあります。
今後の展望
現在のαシエラは、研究室内での常駐型AIナビゲーターとして、学生・教職員・来室者との短時間対話を中心に実証を進めています。
今後は、以下のような展開を検討しています。
- 研究室案内や来室者対応への活用
- 学生とのAI対話体験
- 教育・保育分野におけるAI活用授業への導入
- 子どもの権利擁護や意見表明等支援に関する研究への接続
- イベント会場での「αシエラとお話してみよう」体験展示
- βシエラ、γシエラへ向けた相談支援モデルの検討
αシエラは、完成された製品ではありません。
あくまでも、教育・福祉・AI・表現活動をつなぐための研究試作機です。
しかし、学生や来室者の驚き、笑顔、そして自然な会話の様子を見ると、この小さなAIナビゲーターには、人とAIがより温かく関わる未来を考えるための、大きな可能性があると感じています。
ハピ声スマイル研究室では、これからもαシエラの実証を通して、子どもたちや学生たちが安心して声を出し、笑顔で未来に向かえる環境づくりを探究していきます。
私たちは未来をあきらめない。
世界はもっとやさしくできる。


