2026年度後期・愛知東邦大学
リュウ先生の実践から学ぶ
2026年10月1日、2026年度「社会的養護」の第1回授業は「リュウ先生の実践から学ぶ」を入口に始まりました。担当する伊藤龍仁が1990年から歩んできた現場をたどり、子どもにとって安心できる暮らしと、子どもの権利を考える授業です。
2026年度「社会的養護」第1回の授業スライド表紙
1990年から続く実践と学び
暮らしの場や支援者の役割が変わるなかで、それぞれの現場で何を学び、どのような問いを持ち続けてきたのか。マーニャの問いかけとイラストを手がかりに、実際の経験を学生に伝えます。
- 1990年から:大舎制児童養護施設での16年間
大勢の子どもと暮らす現場で、一人ひとりの思いや生活に向き合った経験を紹介します。
- その後の3年間:小舎制ユニットシステム
暮らしの単位を小さくすることで変わったこと、引き続き大切にした関わりを考えます。
- 2009年から:大学教員として福祉人材養成へ
現場で得た経験と問いを、子どもや家庭を支える人材の育成につないできました。
- 2012年:里親登録
家庭で子どもを養育する道を選んだ思いと、その後の実践へのつながりを紹介します。
- 2013年から:ファミリーホーム✡マギカル
子どもたちと日々の暮らしをつくり、安心できる居場所を育てる実践です。
- 2025年から:ハピ声スマイル研究室
暮らしから生まれた問いを研究へ。子どもの声と笑顔を見つめるHVSIの取り組みへとつながっています。
実践を取り巻く時代の変化
第1回では、子どもの権利条約の日本での批准(1994年)、児童虐待防止法の施行(2000年)、岸和田市児童虐待事件が明らかになった2004年なども取り上げます。被虐待児童の受け入れと支援の難しさを、伊藤が経験した現場の変化として語り、小規模化や専門的支援の充実について考えます。
子どもの立場から考える授業
施設養護と家庭養護それぞれの経験を通して、「子どもは何を感じていたのか」「大人はどう関わったのか」を考えます。マギカルの日常を紹介するブログも題材に、観察した姿と大人の解釈を区別する視点を学びます。
授業の最後には、心に残った場面、子どもの立場から考えたこと、次に知りたいことを短いアウトプットノートに残します。
実践の背景と関連する取り組み
Chapter 1|社会的養護の基本原理とその現状
第2回|社会的養護とは何か・社会的養護の基本理念と原理
授業の要点を一般向けに読む:社会的養護とは|子どもの暮らしと声から学ぶ / さらに読む:研究書籍・論文・実践の案内
2026年10月8日(木)2限・A101 / 担当:伊藤龍仁
リュウ先生の実践、マーニャの問い、シエラの解説を手がかりに、子どもの暮らしと声から考えます。
シエラからのショートメッセージ
子どもの暮らしを支えるのは、家族だけでしょうか。第1回で寄せられた「安心できる大人との関係」「一人ひとりへの関わり」という問いから、第2回の学びへつなぎます。
YouTubeでシエラからのショートメッセージを見る
AI解説キャラクターと日本語合成音声・字幕による教材動画です。画像は架空の教材場面で、実際の子ども・学生・家庭ではありません。SNSの利用・視聴は授業参加や評価の条件ではありません。
Section 1|社会的養護とは何か
家族などが日々担う私的養育には、病気、孤立、経済的困難などによって支えきれなくなる場合があります。それは、家族の愛情や努力の不足だけで説明できるものではありません。社会が養育を支え、分担する社会的養育を、次の三つの役割から考えます。
図をタップ/クリックすると、大きな画像を別タブで表示します。3S=支援・補完・代替。「協働」は追加概念であり、時刻は模式表示です。
この役割の概念図は伊藤龍仁の考案によるものです。出典:伊藤龍仁(2017)『みらい×子どもの福祉ブックス 社会的養護』みらい。授業資料では原図の関係を保持して引用・再構成しています。書誌情報
児童養護の実践から、公的責任に基づく社会的養護へ
本授業では、子どもの暮らしを支える先駆的な児童養護実践の蓄積と、その制度化をたどり、社会的養護を理解します。制度化は「施設で育てること」と同じではありません。施設養護と、里親・ファミリーホームによる家庭養護の双方を含めて考えます。
公的な説明に照らすと、社会的養護は、保護者のいない子どもや家庭での養育が適切でない子どもの暮らしを公的責任で保障し、養育に大きな困難を抱える家庭への支援にも取り組むものです。保育や子育て支援も社会的養育の大切な役割ですが、社会的養育全体を社会的養護と同一視しないことがポイントです。
Section 2|社会的養護の基本理念と原理
土台となる理念は、子どもの最善の利益と、社会全体で子どもを育むことです。制度や支援方法を覚えるだけでなく、一人ひとりの暮らし、関係、選択にどうつながるかを考えます。
- 家庭的養護と個別化安心できる生活環境と安定した関係を整え、一人ひとりの希望や生活習慣を大切にする。
- 発達の保障と自立支援遊び・学び・生活体験を保障する。自立を「一人で何でもすること」に限定せず、支援を使う力や頼れる関係を育む。
- 回復をめざした支援安心な日常を重ね、本人のペースを尊重しながら、必要な専門的支援につなぐ。
- 家族との連携・協働本人の思いと安全を踏まえ、子どもへの支援と家族支援をつなぐ。家族との関係を一律に決めつけない。
- 継続的支援と連携アプローチ暮らしや支援者が変わるときも、説明と意向確認を重ね、関係と支援を途切れさせない。
- ライフサイクルを見通した支援退所や年齢だけで支援の終わりを決めず、その後も相談し、つながり直せる道を考える。
子どもの声から考える
冒頭の3分thinkingでは「子どもの安心できる暮らしを守ることは、家族だけの責任でしょうか」を考えます。リュウ先生の実践、マーニャの問い、シエラの解説を手がかりに、本人の意見をどう確かめ、支援へつなげるかを学びます。
授業後は、①社会的養護とは何かを自分の言葉で説明する、②最初の考えから変わったこと・深まったこと、③子どもに確かめたいことと支援へのつなげ方を、短いアウトプット・ノートに残します。個人や家庭の経験の開示は求めません。
本コーナーは第2回で扱うSection 1・2の要点です。出典・確認:こども家庭庁「社会的養護」、社会的養護の指針の概要、2026年度授業資料。更新:2026年10月4日。
Chapter 1|社会的養護の基本原理とその現状
第2回|社会的養護とは何か・社会的養護の基本理念と原理
授業の要点を一般向けに読む:社会的養護とは|子どもの暮らしと声から学ぶ / さらに読む:研究書籍・論文・実践の案内
2026年10月8日(木)2限・A101 / 担当:伊藤龍仁
シエラからのショートメッセージ
子どもの暮らしを支えるのは、家族だけでしょうか。第1回で寄せられた「安心できる大人との関係」「一人ひとりへの関わり」という問いから、第2回の学びへつなぎます。
YouTubeでシエラからのショートメッセージを見る
AI解説キャラクターと日本語合成音声・字幕による教材動画です。画像は架空の教材場面で、実際の子ども・学生・家庭ではありません。SNSの利用・視聴は授業参加や評価の条件ではありません。
Section 1|社会的養護とは何か
家族などが日々担う私的養育には、病気、孤立、経済的困難などによって支えきれなくなる場合があります。それは、家族の愛情や努力の不足だけで説明できるものではありません。社会が養育を支え、分担する社会的養育を、次の三つの役割から考えます。
この役割の概念図は伊藤龍仁の考案によるものです。出典:伊藤龍仁(2017)『みらい×子どもの福祉ブックス 社会的養護』みらい。授業資料では原図の関係を保持して引用・再構成しています。書誌情報
児童養護の実践から、公的責任に基づく社会的養護へ
本授業では、子どもの暮らしを支える先駆的な児童養護実践の蓄積と、その制度化をたどり、社会的養護を理解します。制度化は「施設で育てること」と同じではありません。施設養護と、里親・ファミリーホームによる家庭養護の双方を含めて考えます。
公的な説明に照らすと、社会的養護は、保護者のいない子どもや家庭での養育が適切でない子どもの暮らしを公的責任で保障し、養育に大きな困難を抱える家庭への支援にも取り組むものです。保育や子育て支援も社会的養育の大切な役割ですが、社会的養育全体を社会的養護と同一視しないことがポイントです。
Section 2|社会的養護の基本理念と原理
土台となる理念は、子どもの最善の利益と、社会全体で子どもを育むことです。制度や支援方法を覚えるだけでなく、一人ひとりの暮らし、関係、選択にどうつながるかを考えます。
子どもの声から考える
冒頭の3分thinkingでは「子どもの安心できる暮らしを守ることは、家族だけの責任でしょうか」を考えます。リュウ先生の実践、マーニャの問い、シエラの解説を手がかりに、本人の意見をどう確かめ、支援へつなげるかを学びます。
授業後は、①社会的養護とは何かを自分の言葉で説明する、②最初の考えから変わったこと・深まったこと、③子どもに確かめたいことと支援へのつなげ方を、短いアウトプット・ノートに残します。個人や家庭の経験の開示は求めません。
本コーナーは第2回で扱うSection 1・2の要点です。出典・確認:こども家庭庁「社会的養護」、社会的養護の指針の概要、2026年度授業資料。更新:2026年10月4日。